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「4月8日:
フリッカーハートダンスクラブには当分寄る気になれない。
道ばたでレジーナの後ろ姿に似た女を見かけてつい呼び止めた。
俺は呼び止めただけだったんだ。
なのにあの女、肩が痛いと喚きやがった。
人違いだった事は謝ったが、そんなに喚くほどのことか?
喉の痛みが取れない。
宿の女将に酒の飲み過ぎだと嗜められた。うるせえ。」
医者の鳥面
覆面
疫病を扱う医者がつける鳥形の仮面。
クチバシ部分にハーブを入れて悪臭を防ぐ。
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歪んだ蝋燭
照明
点灯中に風により蝋が垂れ、
偶然にも奇怪な竜のような形になったもの。
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長い鍵と短い鍵
鍵
古びた鍵の束。
どこを開けるものなのかはもうわからない。
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愚か者の知恵
照明
キャベツとロバの頭をかたどった、古びたランタン。
「4月5日:
実を言うとこの日記は7日につけている。
フリッカーハートダンスクラブでポーカーに誘われた。
レジーナという、すばらしい脚の美女に地下の個室へ通された。
結果だけ言うと酷い負け方だった。皆、偶然レジーナに引き合わせられた様に
見せて、裏でつるんでいたんだろう。俺は良いカモだったわけだ。
気付いた後には全て遅かった。自棄酒をあおりまくって頭を空っぽに、
本能だけにするしかなかった。ホールで踊り子達と狂った様に騒いだが、
その後は記憶にない。喉がやけにヒリつく。」
「『では、今回の引退発表はなぜ?』
『何事もベストのタイミングでベストの時に終えるのが
一番だと思っているからです。技のキレが悪くなったのに、
往年を懐かしんでいつまでもしがみついているようでは、
仲間の命も危険にさらされますし、だいいち美しくない。
あくまで私は美しい冒険者として記録を残しておきたいのです。
この時期に発表をしたのは、私を支えてここまで一緒に来てくれた
スタッフたちの今後を考えてのことです。
いきなり明日から別の人に付いてくれ、なんて。
皆だって生活がかかってますからね。』」
「『でもあいつは』ジニードルビは叫んだ。
『仮面を被っていた!おそろしい仮面を被っていたんです。
その額の下についた、狂気の目がわたしを睨んでいたんだ!』
叫び狂う彼を3人の衛兵が折り重なる様にして押さえ込んだ。
町長が静かに首を横に振る。
『遺体を調べたがそんなものはなかったよ。』
町人たちは立て続けに罵声を浴びせ始めた……恥知らず、人殺し、
育ててもらった恩を忘れて。絶望に目を見開いたまま、
あわれなジニードルビは絞首台へと引きずられていった。
そして彼に殺された筈の恩師が再び町に姿を見せたのは翌日の宵であった。」