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「わたくし、アーサー・ベンゼルは死後、
その財産の半分を匿名で孤児院に寄付し、
のこり半分はメイドのカタリナ・パーカーに譲るものとします。
彼女は私がバルバに襲われ、家からあまり動けない身体に
なってしまった後も献身的に私に尽くしてくれました。
家庭という物には縁遠い暮らしをしてきましたが、
彼女を私の家族とし、私の死後、暮らしに不自由なき様、
貴産の相 遺産 遺産 遺産」
……なるほど、書き損じね。
「『彼の場合は切実でね』とメイスンが続けた。
『病気の娘の命が残り少ないというので他に道がなかった。
しかし道義に欠いた手段であるというのを忘れるため
仕事にどんどん集中した結果、
彼は本当に獣のようになってしまったんだ。』」
「『仕事を焦ったなあ、ガドエラ。
あんたはもう片方の穴にも縄が通っているか
ちゃんと確認するべきだった。』
そう言い放ったロックルの言葉も、
谷底へ落ちて行くジャグランツの耳にはもはや届きませんでした。
こうして村には平和が戻り、
ロックルたちは家族とともに平和にくらしたのです。」
「この日の海上は南西の風やや強く、午後からは南よりの風になり、
比較的航行に都合のよい気候だった。
一行は捉えたバットハーピー3体を縛り上げたまま
船底に閉じ込めておいたが、浅はかなことに、猿ぐつわはしておかなかった。
彼女達の可愛らしい唇に縄を当てるにしのびないという愚かな理由で。
もしかしたら若者達は既に彼女らの術中にはまっていたのかもしれない。
ふいに彼女らの白い喉から、ガラスを金属のフォークで掻くような
不快な音が響き、若者らは狂人のような悲鳴を上げて、
自ら次々に水へ落ちていった。
2週間後、ホワイトミッソスの海岸を嵐が撫で上げて行った次の日、
無人の船が打ち上げられているのを多くの人々が見ているが、
ハーピーたちの姿は船内に無かった。」