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「4がつ12目:
喉の痛みには赤いドロップをなめると良い、と、
つむじ職人のヴィクセンが陽光輝くフライパンの中から背中合わせで言うんだ。
赤いドロップだ。
おれがほしかったのは赤いドロップなんだ。
家畜の頭じゃねえか。
俺が欲しかったのは家畜の頭じゃなくて赤いドロップなんだ。
やったのは俺だ。
俺は赤いドロップが欲しかったんだが金がなかったんだ。
金金金ちくしょうレジーナ。
赤いドロップが欲しかったんだ。
気分はすっきりした。」
「4月9日:
喉に棘が差す様な痛みが益々酷くなってきたので
3件先のイシャに診せて来た。
そしタらあの野郎、何もありませんよ等と笑いやがる。
俺を馬鹿にしているに違いない。
もしかしたらレジーナのギャンブル仲間かもしれない。
俺をせせら笑っていたから。
もしかしたらレジーナの仲間かもしれない。
何もありませんよだと。
この野郎。
アイツは俺を鼻で笑いやがった。
レジーナの仲間かもしれないから、腹がタッタ俺は
そこいらのイシャ道具を全部ひっくり返してやったのさ。」
「4月8日:
フリッカーハートダンスクラブには当分寄る気になれない。
道ばたでレジーナの後ろ姿に似た女を見かけてつい呼び止めた。
俺は呼び止めただけだったんだ。
なのにあの女、肩が痛いと喚きやがった。
人違いだった事は謝ったが、そんなに喚くほどのことか?
喉の痛みが取れない。
宿の女将に酒の飲み過ぎだと嗜められた。うるせえ。」
「4月5日:
実を言うとこの日記は7日につけている。
フリッカーハートダンスクラブでポーカーに誘われた。
レジーナという、すばらしい脚の美女に地下の個室へ通された。
結果だけ言うと酷い負け方だった。皆、偶然レジーナに引き合わせられた様に
見せて、裏でつるんでいたんだろう。俺は良いカモだったわけだ。
気付いた後には全て遅かった。自棄酒をあおりまくって頭を空っぽに、
本能だけにするしかなかった。ホールで踊り子達と狂った様に騒いだが、
その後は記憶にない。喉がやけにヒリつく。」
「『では、今回の引退発表はなぜ?』
『何事もベストのタイミングでベストの時に終えるのが
一番だと思っているからです。技のキレが悪くなったのに、
往年を懐かしんでいつまでもしがみついているようでは、
仲間の命も危険にさらされますし、だいいち美しくない。
あくまで私は美しい冒険者として記録を残しておきたいのです。
この時期に発表をしたのは、私を支えてここまで一緒に来てくれた
スタッフたちの今後を考えてのことです。
いきなり明日から別の人に付いてくれ、なんて。
皆だって生活がかかってますからね。』」